任意後見 契約締結の流れ

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制度を利用することが適当かどうかを無料相談会で検討します
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制度を利用することが適当かどうかを無料相談会で検討します
 任意後見制度を利用した方がいいのか、それとも家族信託など、他の制度を利用した方がいいのか、任意後見制度を利用する場合には、どのような契約内容にすればいいのかの概要などについて、無料相談会でご説明いたします。
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任意後見受任者を決めます
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任意後見受任者を決めます
 任意後見人には、自分が将来認知症などによって判断能力が低下してからの財産管理を、ほぼ全て任せることになります。そのため、当然のことながら、受任者は自分が信頼できる人であることが第一条件です。ただし、たとえ信頼できる人であったとしても、自分が認知症になった時にその人がすでに亡くなっていたら役に立ちません。そのため、自分よりも若くて健康体であることも大切な要素でしょう。
 また、任意後見人は、必ずしも親族でなくても構いません。「遠くの親戚よりも近くの他人」というように、信頼できる人であれば他人でもいいのですが、転勤族のように、自分の近くからいなくなってしまう可能性の高い人では、やはり任せにくいでしょう。
 任意後見人は複数にすることもできますので、複数にすることで任意後見人の死亡リスクは低下させることはできますが、複数にすることで任意後見人の役割分担が難しくなったり、任意後見人の同士の意見が合わなかったりした場合の問題もあります。
 なお、任意後見人には法人でもなることができます。法人であれば生身の人間(自然人)と違って死亡したり病気になったりする心配はないですが、破産したり解散したりするリスクはあります。
 そのため、誰を将来の任意後見人(任意後見受任者)にするのかは、慎重に考える必要があります。
なお、以下に該当する人は、任意後見人になることはできません。
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任意後見契約の内容を決めます
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任意後見契約の内容を決めます
 任意後見では、誰を将来の任意後見人(任意後見受任者)にするのかはもちろんですが、何をどこまで任せるのかも、当事者が契約によって自由に決めることができます。また、任意後見人に支払う報酬額も、当事者が契約によって決めることになります。
 ただし、任意後見契約で委任することができる(代理権を与えることができる)のは、財産管理に関する法律行為と介護サービス締結等の療養看護に関する事務や法律行為です。そのため、例えば食事の用意や家の掃除、ペットの世話などの家事や、身の回りの世話や介護をしてもらうような行為は、任意後見契約の対象外です(もっとも、家事代行サービスや訪問介護サービスの契約を任意後見人が本人の代理人として行うことはできます)。
 また、入院・入所・入居時の身元保証、医療行為についての代諾も、任意後見契約の対象外となります。
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任意後見に関連する契約も検討します
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任意後見に関連する契約も検討します
 任意後見契約は、後述するように、本人が認知症などの理由によって判断能力が低下した後で、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てて、任意後見監督人が選任されて、初めて効力を発します。
 つまり、任意後見受任者は、任意後見監督人が選任されるまでは、何ら本人の財産に対する権限のない「ただの人」です。そうすると、本人が認知症などになってから任意後見監督人が選任されるまでの間の財産管理をどうするかという問題が生じます。
 また、「頭ははっきりしているが体は不自由」というような状況で、誰かに財産管理を任せたい場合であっても、任意後見契約では役に立たないことになります。
 そのため、このような状況でも、信頼できる人に財産管理を依頼したい場合は、任意後見契約はとは別に、「財産管理委任契約」というものを結ぶ必要があります。
 また、原則として任意後見は本人の死亡によって終了しますので、葬儀費用の支払いや遺品の整理など、本人の死後に行う事務手続きは、任意後見契約の対象外となります。そのため、これらのことも信頼できる人に任せておきたい場合には、任意後見契約とは別に「死後事務委任契約」を結んでおくことで対応できますので、それを利用するかも含めて検討することになります。
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任意後見契約は公正証書で締結します
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任意後見契約は公正証書で締結します
 任意後見契約は公正証書で行う必要があります。公正証書とは、公証役場の公証人が作成する証書のことです。公正証書によらない任意後見契約は無効となります。
 本人と任意後見受任者の双方が公証役場に出向いて作成してもらうのが原則ですが、本人が入院中など公証役場に行けないような場合には、公証人に病院等に出張してもらうこともできます。公正証書の作成費用は基本手数料が11,000円で、これに証書代、登記手数料や印紙代が別途数千円程度かかります。
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任意後見契約の効力発生まで
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任意後見契約の効力発生まで
 公正証書の作成が終わったら、ひとまず業務完了となります。任意後見契約は、あくまでも本人が認知症などの理由によって判断能力が低下した場合に効力が発生しますので、本人が亡くなる直前まで判断能力を保っていた場合には、効力を発しないまま終了します(もちろん、それはそれで結構なことですが)。
 本人の判断能力が低下した場合には、その本人が受任者に連絡して、任意後見契約を開始する手続きを始めてもらってもいいのですが、認知症の場合、本人が自らの判断能力の低下に自分では気が付いていないことも多いでしょう。
 任意後見の受任者が配偶者や子、孫などの近親者で、日常的に交流のある人であれば、本人が認知症等になって判断能力が低下したことを察知することができますが、司法書士や弁護士などの専門家が受任者の場合には、本人が認知症等になったことを受任者に伝える手段を確保しておく必要があります。
 本人に親族がいる場合は、受任者への連絡を親族に依頼しておくのも一つ方法ですが、身寄りがない場合や親族が遠方に住んでいて日常的には交流がないような場合には、受任者と別途「見守り契約」をしておくことをお勧めします。
 「見守り契約」とは、受任者が定期的(例えば毎月1回程度)に、本人を訪問したり、電話をしたりして状況を確認するサービスで、これにより、本人の判断能力が低下したことを、受任者が察知することができるようになります。

任意後見 効力発生の流れ

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判断能力が低下したら
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判断能力が低下したら
 本人の判断能力が低下した場合は、まずは、客観的にそのことを証明するために、医師に診察してもらって診断書を発行してもらう必要があります。あとは診断結果や本人の生活状況、財産状況などを考慮して、任意後見契約を発効させるかどうかを判断することになります。
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家庭裁判所に任意後見監督人選任の申し立てをします
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家庭裁判所に任意後見監督人選任の申し立てをします
 任意後見契約を発効させる場合は、本人の住所地の家庭裁判所に対して、任意後見監督人の選任を申し立てます。その際に申立人となれるのは、以下の人です。
 任意後見監督人の選任申立の際には、以下の書類が必要となります。
 なお、その際には所定の金額の収入印紙と郵便切手が必要となります。

1. 申立書類

(1)申立書
(2)申立事情説明書
(3)親族関係図
(4)財産目録
(5)相続財産目録
(6)収支予定表

2. 本人情報シート

→ ご本人の福祉関係者(ケアマネージャーなど)に作成してもらいます。

3. 診断書関係

→ 主治医の方に作成してもらいます。

4. 戸籍謄本(全部事項証明書)

→ 対象者本人の分を、本籍のある市町村役場から取り寄せます。

5. 任意後見契約公正証書の写し

6. 成年後見等に関する登記事項証明書

→対象者本人の分を、東京法務局から取り寄せます

7. 本人の財産等に関する資料

(1)不動産関係書類
   →不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書など
(2)預貯金及び有価証券の残高がわかる書類
   →預貯金通帳写し、残高証明書など
(3)負債がわかる書類
   →ローン契約書写しなど
(4)収入に関する資料の写し
   →年金額決定通知書、給与明細書、確定申告書、家賃、地代等の領収書等
(5)支出に関する資料の写し
   →施設利用料、入院費、納税証明書、国民健康保険料等の決定通知書など
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事情聴取・鑑定
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事情聴取・鑑定
 申立書を提出した後しばらくすると、申立人や任意後見受任者に対して家庭裁判所から連絡が来ます。申立人と任意後見受任者は、指定された日時に家庭裁判所の調査官と面談をして、申し立ての理由や本人の経歴・病歴、財産・収支、任意後見受任者の経歴などについての説明を求められます。
 また、ご本人の家族などに対しては、家庭裁判所から、事実関係、親族間の紛争の有無、任意後見受任者の適格性等についての照会書が送られてきます。
 さらに、必要に応じて、ご本人の判断能力や自立生活能力、財産管理能力などを確認するため、家庭裁判所が指定した専門医による医学鑑定が本人に対して実施されます。
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本人の状況確認
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本人の状況確認
 対象者本人に対して、家庭裁判所の調査官が面談を行ないます。その際には、本人の病状、申立内容、申立の理由などについての確認を受けると同時に、任意後見人の権限の範囲などについても、本人の確認を受けます。
 ただし、本人が後見相当で意思疎通ができない場合は、この手続きは省略されることもあります。
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家庭裁判所での任意後見監督人の選任手続き
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家庭裁判所での任意後見監督人の選任手続き
 その後、家庭裁判所では、提出書類や調査結果、鑑定結果などが審査され、本人について任意後見が開始されるべきか、また、任意後見監督人には誰が選任されるかなどについての判断が行われます。
 任意後見監督人の仕事は、任意後見人が任意後見契約の内容どおり、適正に仕事をしているかを、任意後見人から財産目録などを提出させるなどして、監督することです。また、本人と任意後見人の利益が相反する法律行為を行うときに、任意後見監督人が本人を代理します。任意後見監督人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。
 任意後見監督人は家庭裁判所が職権で選任します。任意後見監督人は任意後見人が適正な事務を行っているかどうかを監督する立場にあることから、原則として、専門職団体から推薦された弁護士又は司法書士が選任されます。
 この第三者専門職である任意後見監督人に対する報酬は,家庭裁判所が公正な立場から金額を決定し,本人の財産から支払われることになります。
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審判書の受領と後見登記
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審判書の受領と後見登記
 任意後見監督人が家庭裁判所によって選任されると、本人、申立人、任意後見受任者、任意後見監督人に対して、家庭裁判所から審判書が送られてきます。
 なお、任意後見制度では、任意後見監督人が審判書を受け取ると、すぐに任意後見契約が発効します(ちなみに、法定後見制度では、審判書を関係者が受け取ってから2週間を経過しないと、審判書の内容が確定しません)。そのため、任意後見受任者は任意後見人として、正式に本人の財産管理を開始することになります。
 その後しばらくすると、東京法務局で任意後見の登記がなされますので、後見登記がなされたら、任意後見人は自らが本人の後見人であることを証明するために、法務局で登記事項証明書の交付を受けておきます。
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後見人としての活動開始
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後見人としての活動開始
 その後、任意後見人は財産調査などの仕事を開始し、本人の財産目録を作成して任意後見監督人に報告します。その後も、任意後見人は定期的に、任意後見監督人に対して財産状況などを報告することになります。
申し立ての手続きをスムーズに行いたい場合は?
 上記の通り、任意後見契約や任意後見監督人選任申し立ての際には、それなりの労力と時間がかかります。また、任意後見契約書の内容は、公証人連合会などがウェブサイトで一定のサンプルを公開してはいますが、本人の生活状況や財産状況に応じて適宜作り変える方が望ましいと思います。
 当事務所では、任意後見契約書案や任意後見監督人の選任申立書の作成業務も行っておりますので、まずはお電話もしくはこちらの相談フォームに必要事項を入力の上、お問い合わせください。
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